『今を大切に』“1分・1秒無駄にしない”と話してくれたのは、高知大学アメリカンフットボール部(以下アメフト)OL/DLキャプテンの竹島由人だ。
アメフトとの出会いと初戦
竹島は高校時代ラグビー部に所属しており、アメフトの存在は知っていた。大学でもラグビーをしようか迷っていた時に、2018年度の秋季リーグで高知大学が中四国リーグ初優勝を果たしたことを知った。その時に自分もアメフト部に入り、優勝したいと強く思い入部を決意した。入部して2ヶ月先輩から「お前はもうOLだ。6月の愛媛大学の試合に出るぞ」と言われ、右も左もわからないまま試合に出場した。プレーは何もかも上手くいかず散々だった。でも、「アメフトは楽しい」素直にそう思えた。
『今しかない』
今年の高知大学のチームテーマは「Now or Never」だ。日本語に訳すと「今しかない」「今が好機」という意味になる。竹島になぜこのテーマにしたかと質問をするとこう答えた。「昨年のシーズンは、コロナ禍で練習日数も今までのシーズンに比べてかなり短く公式試合も一試合のみで、あっという間に終わってしまいました。昨シーズンを振り返って、もっと努力できたのではないか、もっとこのチームで戦いたかった、と感じ1分・1秒を大切にしていきたいと考え、このスローガンを提案しました。」
ワンチームで試合に臨む
理想のキャプテン像は?と質問をした。竹島はこう答えた。「誰に対しても優しく時には厳しく、相手の気持ちをよく理解できるキャプテンになりたいです」竹島はコミュニケーションが得意な方ではないが、キャプテンとしてチームメイトと対話することを意識している。しっかりと対話することで何でも気兼ねなく話せる関係を作って、チーム一丸となりワンチームで試合に望みたいと熱い想いを語ってくれた。
伸び代のある期待の下級生
竹島が期待する下級生は2回生の森本陽大(WR、LB)だ。森本は昨シーズンから主にWR、DBとして試合に出場しインターセプトを記録するなどチームに大きく貢献した。高校野球で鍛えられた運動能力もさることながら、メンタル面でも自分がチームを引っ張るといった気概が見え、普段の練習でも声を出して盛り上げられる稀有な人材だ。アメフトの理解はまだまだ足りないが、伸び代のある選手。「これからは上に立つ自覚をもって、プレーヤーとしても人間としても成長していってほしい」と竹島は言う。
強い意思を持ち、試合に臨む
今年の高知大学は、アメフト経験者や例年の様なタレント選手がおらず経験も浅い選手ばかりだ。しかしバックス陣はスタミナとスピードに長けている選手が多い、新入生もすでに練習に溶け込み、運動能力の高さを感じる。学年関係なくチーム全員が、自分がやらねばという強い意思を持ってフィールドに立つ。
最後に一言
昨年はコロナ影響で練習も試合数も少なく、1試合しかなかった公式戦でも1点差で敗戦する、やり切れない気持ちが残るシーズンでした。今年は上級生よりも下級生が多く厳しい戦いになると思われますが、チャレンジャーとして食らいついていきます。
※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。