東北大学男子ラクロス部 主将 AT東谷雅人(ひがしたにまさと)
「スタートラインが同じ」
入部理由
小中高と続けてきた野球は、部活としては高校時代にやりきったと考えていた。大学生になり、部活一筋の今までの生活とは違った過ごし方をしてみたいなとぼんやりと思っていた。そんななか、それほど興味がなかったラクロス部の新歓で、部活を一生懸命に頑張る生活に再び惹かれている自分に気づいた。高校時代はスタメンとして活躍できなかった自分は、ラクロスを含むカレッジスポーツの「スタートラインが同じ」という点に魅力を感じ、その中でも雰囲気が明るくて特に楽しそうだったラクロス部に入部した。入部したときから、なんとなくこのスポーツなら活躍できる気がするなと考えていた。
「お前しかいないよ」
キャプテンになった理由
もともとリーダーをやることが多かったが、キャプテンは向いていないと思っていた。何かを最終的な意思決定者として決めるよりも、陰でうまく回るように動いたり、失敗しそうな点に気づいて指摘する役回りが多かったからだ。しかし、尊敬していた前チームのキャプテンの姿を見ていて、自分の力でチームを引っ張ろうとする姿を素直にかっこいいなと思った。自分に100人規模の団体のキャプテンが務まるのか不安はあったが、同期からも「お前しかいないよ」と言ってもらうこともあり、最終的には自分で立候補して決まった。人がリーダーをやりたがらないのは、責任を取りたくないからだと思う。自分も例外なくその一人で、自分の器次第でチームの姿や戦績が大きく変わってしまうことを想像すると不安は大きかった。しかし、そうした重圧を背負って日々研鑽して、それでもなお結果を出してチームを引っ張っているからこそ、歴代のキャプテンの方々はこんなにもかっこいいんだなと思った。この規模の団体でこうした重要な役職に就かせてもらえる機会もそう多くないので、みんなに助けられながらやれるだけやってみようという気持ちでキャプテンになった。
「BEAT」
スローガンに込められた想い。
スローガンは「BEAT」。打ち負かす、やっつける、といった意味がある。東北大学男子ラクロス部は近年急激に強くなってきた。常に強くあり続けるチームであったというよりはむしろ、学年を超えて仲が良く、ラクロスを心から楽しめるチームであったと言える。だからこそ、もう一段殻を破る必要があった。学生日本一を目指す以上、楽しくラクロスをするだけではなく、時には厳しさが求められる。決してつらい雰囲気でラクロスをしようというのでは無く、時につらいことがあっても目の前の敵に勝つことを真剣に追い求める、そうした過程をも楽しめるチームにしたいという思いが込められている。仲が良い自分たちらしく、話し合いで出されたこの言葉に4年生全員が納得して決まった。
勝ちにこだわる
心がけていること。
まずは勝ちにこだわること。練習の中の小さな勝負にも勝ちを求め、ささいなミスも流さないように心掛けた。遠征で勝てない時期には、現状で満足しているのではないか、本当に日本一を目指す気があるのかと、根本からチームに問いかけた。関東の高いレベルを知るコーチに来ていただいたのも、目標へのこだわりからだった。
団結力のあるチーム
チームの印象
日本代表のような突出して上手い選手がおらず、小粒なチームと言えると思う。逆に、そうしたスター選手に頼らずとも勝てるようにならなければならないという意識が多くの選手にある。コロナ直撃世代の3年生は、自分たちが劣っていることを自覚して練習外に集まり、メニューを考えて追加で自主練をする姿も見られた。加えて学年を超えて仲が良く、幹部の発信に対して同じ方向を向いて進んでいける団結力のあるチームだと思う。最近は下級生から盛り上げ役を買って出てくれる選手も出てきて、ますます明るい雰囲気で練習をしている。
最後に
学生日本一を目標に掲げて3年目。昨年は全国大会の予選で敗退した。今年こそ学生日本一を達成して、関東一強のラクロス界に衝撃を与えたいと思う。昨年の敗戦から、「この先輩方でダメだったのに本当に自分たちが日本一になれるのか…。」と不安になることも多かった。しかしそのたびに前に進んできた。高い目標を目指すきっかけを与えてくれた先輩方の想いも背負って、このチームに関わる全ての人と感動を分かち合える最後の大会にしたい。応援よろしくお願いします。
※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。