プレーで引っ張る。徳島大学アメリカンフットボール部「PIRATES」0番TE/DLの足立滉樹(こうき4年)は、自分が一番活躍しプレーでチームを引っ張るという強い想いを語ってくれた。
バスケでは県大会に出場
足立は中学校高校とバスケットボール部に所属し、バスケに夢中だった。高校では主将を務めるなど人望が厚く県大会まで進むほどの実力の持ち主だ。しかし、小学生からミニバスをやっている同級生たちとのフィジカル以外での差(シュートタッチやハンドリング)を感じ、高校でバスケ人生に終止符を打とうと決めていた。
バスケからアメフトへ
大学に入り、「本気で学生生活をかけて部活をしたい」「新しいことを始めて自分の力を試したい」と強く思った。元々カレッジスポーツに興味があり、校内を歩いているとアメフト部の方に声をかけられた。「体が大きいから、必ず活躍できるアメフト部へ入らないか?」と言われた。自分のフィジカルを最大限に使いスポーツをしたいと思っていたこともありすぐにアメフト部へ入部を決めた。
2回にわたる靭帯断裂
足立はバスケ時代フィジカルで負けることはなく、自信があった。しかし入部して初月、右足前十字靭帯を断裂してしまった。実は高校3年生の秋、体育教師になりたいと思っており、大学入試の体力試験を受けた。その時に1回目の右膝前十字靭帯を断裂した。完全に治っていなかったのだ。
できることをやろう
再断裂した時、早く復帰したい。そう思い続けていた。試合に出場し活躍する同級生を見ると、悔しくて悔しくて仕方がなかった。本来は怪我をしなければ自分がフィールドに立っていたからだ。そこで足立は同級生に負けてはいられないと思い「今できることをやろう」と病院の個室にダンベルを持ってきてもらい、上半身のトレーニングを毎日追い込んだ。その結果復帰した時でも引を取らないフィジカルを作った。
いきなり任されたリーダー
2年生の春、約1年かかり怪我を治し復帰した。その時DLユニットには先輩が誰もおらず何もわからないまま2年生の秋にリーダーを任された。経験もないし知識もなかった、でもアメフトへ対する気持ちは誰よりもあった。今では持ち前のリーダーシップを発揮し、DLユニットになくてはならない存在だ。
足立に質問をした試合で注目してほしいポイントは?
足立はこう答えた。
『他大学のようなコーチもいないし、学生コーチもいない中で、1年もブランクがある僕に“何も言わず”についてきて来てくれたDLユニットに注目してほしい』
足立がいれば大丈夫
徳島大学PIRATESの2個上の先輩に、当時絶対的エースだった樽谷哲平(てっぺい)という憧れの先輩がいる。樽谷がフィールドにいれば大丈夫と言われるような選手だった。スキル、フィジカル、知識、人間性どれをとっても理想の選手だ。今シーズンは足立がフィールドにいれば大丈夫と言われる選手になると熱く語った。
最後に一言
「去年は1試合に1回QBサックをすることはできたが、チームとしてタッチダウンを一つも取れなかった。だから今年こそは必ず、1試合にQBサックとタッチダウンを狙います」
今シーズン足立が強烈なパスサックと巨体を揺らしながらタッチダウンすることを期待しよう。
※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。