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アメフト

『COWBOYSの黎明期を作る』

“新しい時代を作る”こう話してくれたのは帯広畜産大学アメリカンフットボール部『COWBOYS』
主将 WR/LB須田泰地(すだたいち)だ

アメフト部へ入部を決めた3つの理由
理由は3つです。
一つ目は雰囲気がとても良かったこと
二つ目はバスケの経験が活かせると思ったこと
三つ目は”強い”チームに入ってみたいと思ったことです。
小学校ではミニバス、中高とバスケットボール部に入っていました。大学では全く新しい部活に入ろうと思っていました。アメフト部はあまり考えていませんでしたが、一番最初に行った新歓がアメフト部で、笑い過ぎて頬が痛くなるくらい楽しませてもらいました。その時点でかなりアメフト部に気持ちが傾いていたのですが、何も知らないスポーツだったこともあり、その場で即決しないでちゃんと体験してから決めようと思いました。その後、COWBOYS について興味が出て調べていくと、畜大では珍しく1部リーグに所属するチームで、先輩からの話で本気でアメフトに取り組んでいることも分かりました。今までそのようなチームに居たことは無く、その環境でスポーツをすることに興味が出ました。そして、また新歓に参加し、フラッグフットボールをやったのですが、キャッチや駆け引きでバスケットボールの経験が凄く活かせて、自分の可能性を感じました。アメフト部の新歓で1番大きいスプラウトボウル(フラッグフットボールの大会)ではMVPに選ばれ、その瞬間にはもう心は決まってました。

COWBOYSを変えたい
1年生の頃からCOWBOYSについてよく考えていました。新歓でMVPを取り周囲にも期待され、「がむしゃらについていこう」と臨んだゴールデンウィークの練習で、全治約1年の大怪我をしました。シーズンアウトを余儀なくされ、練習も試合も見ることしかできない1年目を過ごしました。その間、チーム環境を客観視できた自分には、良いところも改善すべきところも沢山見えてきました。競技復帰した2年目以降もコロナウイルスにより満足に活動することは出来ず、その間も沢山チームについて考えました。素敵な人ばかりで、アメフトには皆んな本気で、本当に良いこのチームをもっと良くしたいという思いがずっとあったのです。実際に決めるときには同級生で話し合って決めました。キャプテンに立候補して、こんなチームにしたいということを言ったのですが、「お前はキャプテンにしなくてもどうせやるから、副キャプテンの方がいい」と一部の同級生に言われました。やりたい人が他にいなかったため私に決まったのですが、正直すんなり私になると思っていたので、決まった時は少しホッとしました。笑

チームスローガンと、そこに込めた思い
今シーズンのスローガンは「Keep Pounding」です。NFLのカロライナパンサーズの掲げるスローガンを、3年生の武藤が提案してくれました。パンサーズのSam Millsさんが言った言葉で、「吠え続ける」という意味があります。彼はがんにより3ヶ月の余命宣告を受けながらも「Keep Pounding」というマインドをチームに伝え、弱かったパンサーズを変えました。そのスローガンは現在まで受け継がれるほど大切にされ、彼は「Keep Pounding」のマインドで、予定よりも17ヶ月長く生きました。そんな彼のように、苦しい時も全員で吠え続け、進み続けようという思いがこもっています。

アメフト通じて社会の他方で活躍できるリーダーを排出する
今年度からチームフィロソフィーを掲げ活動しています。毎年1年間の目標を掲げるのみで終わっていたのですが、今年から長期的なCOWBOYSの目標、存在意義としてチームフィロソフィーを考え、掲げることにしました。チームフィロソフィーを通じてCOWBOYSの活動の価値や、自分がいる意味をもっと感じてほしいと思っています。
COWBOYSの存在意義、最終到達地点を”ミッション”とし、「アメリカンフットボールを通じて、社会の他方で活躍できるリーダーを排出する」というものを作りました。アメフトが分業制であることや、COWBOYSがコーチのいない学生主体のチームであることから、リーダーをやる経験がかなり多いチームです。そんな経験を通じて、社会でもリーダーとして活躍してほしいという願いがこもっています。さらに、そのミッションを達成するために必要な中期的な目標を”ビジョン”として以下の4つ掲げました。
「チームの勝利のために尽力し、名実ともに北海道を代表するチーム」
「あらゆる物事の意味を考え、全員が変化を恐れず主体的に行動するチーム」
「お互いを心から認め合い、感謝と敬意をもってコミュニケーションを取るチーム」
「”畜大生”、”COWBOYS ”として地域と深く関わり合い多くの人から応援されるチーム」
これらを行動指針として各々が意識して生活することで、ミッションの達成に近づき、今しかできない経験ができるようにと作りました。

 

意識していること
「Keep Pounding」については、全員で声を出すということを定期的に意識づけさせることと、自分が1番声を出すと言うことを心がけています。意識づけさせるときは、疲れた時もいつも通りコミュニケーションができることや、声により流れを掴むことができるというような、勝利になぜそれが必要なのかという理由についても合わせて伝えています。
チームフィロソフィーに関しては、実現するために動けたことが少なかったのですが、特に「お互いを心から認め合い、感謝と敬意をもってコミュニケーションを取るチーム」というビジョンについて今シーズンは意識しています。誰かの良かったところをカードに書いて送り見える化した”ステキカード”や、練習が始まる前に雑談する3分間トークなど、感謝を伝える方法やコミュニケーションの回数の増加について工夫しました。さらに、信頼やコミュニケーションの大切さについてマイナビアスリートキャリア様から講演いただいたことで、去年と比べ練習中「ありがとう」という言葉が本当に増えました。些細な事でも誰かがありがとうと声を出すようになり、素晴らしい変化だと思います。

考えるチーム
今年のチームの印象は?と須田に質問をした。「“意味”について本当によく考えるチームだと思います。もちろん学生主体ですから以前から考えれるチームではあったのですが、私やODKのキャプテン、ポジションリーダーに対する質問がかなり増えた気がします。なぜこの練習なのか、目的に対してなぜこう動くのかと、学年問わず質問が飛び交いますし、ミーティングの量もかなり増えました。チームフィロソフィーとして意味を考えることを掲げたことも大きかったと思います。」

最後に
今年は本当に沢山の方にご支援いただきました。その方々に恩返しをするため、自分達の価値を証明するために、必ず北海道を制します。コーチがいないチームが、コーチも選手も充実してるチームに勝つ。近年最大のアップセットを起こします。応援よろしくお願いします!

 

※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。

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RYO

RYO

アメフトオタク

1999年4月6日、大阪府大阪市生まれ23歳。小学5年生からアメフトを始め2015年大阪産業大学附属高等学校に入学。3年時に主将を務め大阪無敗で全国大会に出場。2年・3年時にはU18日本代表に選出。2018年に近畿大学に入学。2022年に卒業し、現在はX3のリードエフォートエールズで主将を務めています。

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