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バスケ

『バスケができる幸せ』“当たり前に感謝する”

愛媛大学 女子バスケットボール部 前主将 武智 才和(たけちさと)

バスケ人生の中で叶えたい夢を追いかけ
武智は、小学一年生からずっとバスケを継続しており、バスケをしない大学生活は考えられなかったから、入部したと話してくれた。それともう一つの入部理由について次のように話してくれた。「私にはバスケ人生の中で叶えたい夢がありました。それは、 全国の舞台に立つことです。この夢を叶えるべく、私は迷わずバスケ部への入部を決心しました。」

主将としては、「出し切り」選手としては「苦しかった」一年
武智にこの一年を振り返ってもらった。少し間を置きこう話してくれた。
「主将としては全てを出し切った1年であり、1プレーヤーとしては「苦しかった」の一言に尽きる1年でした。期待と不安に満ちたなか、主将としての1年が始まり、これまで逃してきた“インカレ出場”の目標を自身の代では必ず達成する!という強い想いを持っていました。新チーム初の大会では、自チームでは通用するプレーでも、上のレベルに行けば全部と言っても過言ではないほど通用しない。そんな学びを得るとともに自身の弱さを痛感した大会でした。私の主将としての目標は、先輩後輩関係なく意見を言い合える環境作りでした。個人的には、徐々にチーム全体での意見交換が増えていき、プレーの連携も上手くいくことが増えたように感じております。最終結果としては、インカレ出場の目標は達成できませんでしたが、当初は不揃いだったチームの足音は少しずつ揃っていき、最後には足音はほとんど揃っていたのではないかと振り返ります。」

悔しさと開放感
試合終了のホイッスルがなって、武智の現役最後の試合が終了した。試合が終わった時次のように感じたと話してくれた。「第一に悔しさ、第二に開放感を感じました。
インカレ出場という目標達成のため、ただひたすらがむしゃらに貪欲にバスケットボールに打ち込んできたその努力が実らなかった時、やり場のない悔しさで溢れました。と同時に、責任と怪我からの開放感も溢れてきました。期待してくれる人がいることは私の原動力になりますが、実はどこかで気づかないうちにプレッシャーにもなっていたのかもしれないと今は思います。また、手術を延期してバスケを続けており、身体は既に限界を超えていたため、怪我や痛みからの開放感も非常に大きかったのが正直なところでした。

バスケができる幸せ
競技を通して、成長できたことについて次のように話してくれた。
「大学バスケでは、選手と大会運営役員の二足の草鞋を履いており、様々な人と関わりをもつことができました。それに加え、大きな怪我を経験したことで当たり前の大切さに気付ける人間に、プレーヤーになることができたと思います。運営役員の活動では、選手がコートで輝ける環境は多くの人の支えと表に出ることのない沢山の努力によって守られていることを実感できました。そして、裏での活動の大変さやそこに込められた思い・熱量を知ることで選手としてあるべき姿を広い視点で見つめ直し、大学ではこれまで以上にバスケットボールに真摯に向き合い努力を重ねることができたのでないかと思っています。手術を伴う二度の怪我を経験した今、全力でバスケができる幸せは人一倍感じることができている自信があります。歩くこともできず、どうもがいてもバスケができなかった当時の気持ちは絶対に忘れないですし、そのもどかしさややるせなさを持っているとどんなにきつい練習でも乗り越えられることができました。また、怪我をしていてもチームの一員としてできることは必ずあります。怪我をしたからと腐ることなく、常に自分にできることや自分だからできることを考え最後まで部活動に励んできたことは、ひとつの功績であると思っています。」

後輩に向けて、メッセージ
選手としての在り方は人それぞれ。自分も仲間も常に変わりゆく中で、自分がしなければならないことはなにかを俯瞰的に分析し、どんな形でもいいので最後まで一流の選手でいてほしいと思います。そして、感謝の気持ちも大切にしてほしいです。みんながバスケを頑張れているのは、きっと誰かの存在や支えがあるからだと思います。それに気が付くことができたら、バスケに向き合う姿勢は自然と良質なものになるはずです。苦しくて逃げだしたいこともあると思うけど、みんなには強力なサポーターが沢山います。私もその一人です。もっとがむしゃらに、もっと貪欲に。今という瞬間を大事にし続けてください。

※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。

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RYO

RYO

アメフトオタク

1999年4月6日、大阪府大阪市生まれ23歳。小学5年生からアメフトを始め2015年大阪産業大学附属高等学校に入学。3年時に主将を務め大阪無敗で全国大会に出場。2年・3年時にはU18日本代表に選出。2018年に近畿大学に入学。2022年に卒業し、現在はX3のリードエフォートエールズで主将を務めています。

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