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アメフト

”気持ちでは相手に負けない” 

徳島大学アメリカンフットボール部キャプテン宇地原基紀
Q.2022年度のチームスローガンと、そこに込めた思いを教えてください。

スローガンはGo Hard』です。「積極性」や「勝ち気」の意味を持つ言葉を選びました。昨シーズンは『Challenge』というスローガンの下で、楽しみながら自主的な行動を心がけて活動していました。しかし、敗戦に喫してしまい、悔しい気持ちでシーズンを終終えました。今シーズンは、挑戦することはもちろんですが、さらにストイックにアメリカンフットボール(以下、アメフト)を追求しています。その気持ちを込めて、スローガンを設定しました。「タックルミスや気持ちで相手に負けない」「1on1では絶対に勝てる選手になる」「どんな練習でも、どんなミスをしても自分から積極的に行動する」など、強い想いで溢れています。

Q.スローガンのようなシーズンにするために、心掛けていることを教えてください。

心がけていることを一言で表すと「準備」です。アメフトは「準備のスポーツ」と言われます。「当たり前のことを当たり前に行い、試合に向けて整える」これを徹底しています。「準備」と一言で表せしても、内容は多岐にわたります。大きく分けると2つで、1つ目は気持ちの面です。練習開始時に強い気持ちを持ち、対戦相手のことを徹底的にイメージし練習に望むこと。2つ目はフィジカルの面です。体重を増やし、筋トレをしっかりする。これは日頃から気を遣っていないといざとなって何もできないです。そのため、目標体重を決め、それに向けてメンバーで報告しあっています。

Q.工夫をしながら練習メニューを考えているようですが、宇地原選手はアメフト経験者として入部されたのですか?

いいえ、僕がアメフトを始めたのは大学からです。小中高では野球をしていました。小中では、県大会で優勝するような強豪チームに所属していましたが、そのときは野球を楽しめていませんでした。勝つと嬉しいのですが、監督やコーチの言いなりでそれに反すると怒られることが多く、「もっと主体的にスポーツをして、楽しみたい」と考えていました。そのような経験があったため、大学入学時にはスポーツをするつもりはありませんでした。しかし、1年生の新歓時期にアメフト部の先輩から声をかけられました。「高校まで何かスポーツしていた?」と聞かれ、野球をしていたことを伝えると、「元野球部は即戦力やし、1回でいいから練習に来てほしい」と誘われました。その誘いがきっかけで、アメフト部の練習を友達と見に行き、学生主体でチームを作り上げていることに感銘を受け、「ここなら思い描いていた活動ができる」と入部を決意しました。

Q.学生主体のチームの主将ということで、心がけていることなどはありますか?

人一倍努力することはもちろんですが、グラウンド内で一番声を出し、迅速な行動をとるなど、当たり前のことにも気を抜かずに活動しています。また、同期・後輩との会話を大切にしています。僕自身が野球をしているときに、怒られての練習は楽しくないことを実感していたので、練習や試合では檄を飛ばしますが、グラウンド外では声をかけ雑談をするなど心がけています。

Q.キャプテンが期待する下級生の選手を一人挙げて、理由も教えてください。

蔭岡史嵩選手です。2年生の選手でWR/LBを務めています。高校時代にラグビーをしていた経験があり、同級生にはできないような思い切ったプレーや派手なタックルをすることができます。また、プレー能力だけでなく、フィジカルに関してもチームトップクラスです。秋シーズンではエースとして、チームを引っ張ってくれる選手だと思います。そして、俯瞰的に試合状況を考える力をさらにつけ、僕たちの代が抜けた後も、主力になってくれると期待しています。

Q.今年のチームの印象を教えてください。

今年は、四年生を中心に元気があり、明るい人が多いチームだと考えています。スローガンである「Go Hard」のもと、一人ひとりが声を出し、積極的に練習やアフターに取り組む姿が見られます。中でも、今年からは会員制のジムに登録し、大学の外でもチーム一丸となってトレーニングに励んでいます。

Q.最後に、秋シーズンに向けての意気込みを教えてください。

去年は一度も勝つことができず悔しいシーズンとなったので、今シーズンはまず初戦の勝利を目指します。そのためには、チームの課題であるスロースターターを脱却しなければなりません。これは力を入れている「準備」でカバーできると考えています。地方の僕たちは、リーグ戦のために毎回2時間バスに揺られて試合会場に向かっています。その際の、バスの中での過ごし方を逆算して見直し、試合序盤から全力で戦えるようにしていきます。目標である二部昇格に向けて一人ひとり「積極性」や「勝ち気」を持ち、「Go Hard」で取り組んでいきます。

 

※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。

 

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RYO

RYO

アメフトオタク

1999年4月6日、大阪府大阪市生まれ23歳。小学5年生からアメフトを始め2015年大阪産業大学附属高等学校に入学。3年時に主将を務め大阪無敗で全国大会に出場。2年・3年時にはU18日本代表に選出。2018年に近畿大学に入学。2022年に卒業し、現在はX3のリードエフォートエールズで主将を務めています。

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