広島大学ラグビー部 主将 No.8 新藤一樹(しんとういつき)
ラグビーの魔力
新藤は、高校時代にラグビーを始め、花園出場を目指して努力していた。しかし、強豪校に3年とも準決勝で敗北し、花園出場の夢をかなえることはできなかった。大学では高校本気で部活に取り組んだぶんサークルで遊ぼうと考えていたが、ラグビーの魔力が潜んでいたと新藤は話す。「高校ラグビーから離れて1か月ほどしたころ、無性にラグビーがやりたくなってきたのです。先輩たちの人柄も良く、気づけば同期で一番最初に入部していました。ラグビーの魔力には敵いませんでした(笑)」
黄金期を作るために
キャプテンになった理由を次のように話してくれた。「広島大学ラグビー部の黄金期を作りたかったからです。7年前に全国出場を果たしてから、6年連続全敗の低迷期を脱却し、今年全国地区対抗大会に出場することができました。しかし、1年出ただけで満足してしまっていては7年前と同じ状況に陥る可能性があります。地区対抗出場が当たり前になり、ゆくゆくは優勝を狙えるようなチームにに成長させていく、それが応援したいと思える理想のチームだと考えています。今年が新たな広大ラグビー部の歴史を作っていくターニングポイントになると確信していますし、実現させるためには僕がキャプテンをやるしかないと思い、自ら志願しました。」
「We are one」
チームスローガンは“We are one”このスローガンになった理由を新藤は話してくれた。「この「We」には、チームメイトだけでなく、応援してくださる保護者・OB・OGの皆様はじめ、地域の人たちを含めた広大ラグビー部に関係するすべての人、という意味を込めています。昨年まではコロナ禍のあり、外部との関係が希薄になりました。練習以外の活動はほとんどできず、自分たちの力だけで強くなるには限界を感じました。また、チームの中での人間関係も浅く、チームとの温度差を感じた部員が数人やめてしまいました。この現状から、今年のチーム理念として「誰も最後まで欠けずやり切るチーム」「周囲に愛されるチーム」にしたいと僕が幹部に話しました。ほかの候補は何があったか忘れてしまいましたが、それだけチーム理念と完璧にマッチしていたので、このスローガンに決定しました。」
愛されるチームになる
心がけていることについて、質問をした。新藤はこう答えた。「まず周囲に愛されるチームになるためには、自分たちがチームを世界一愛する必要があります。まず、練習を昨年度よりも強度を高くしました。これは単に成長速度を上げるだけでなく、きつい練習を全員で声を掛け合いながら乗り越えることでチームの団結力を高めるがあると思っています。また、チームメンバー1人1人と面談を行いました。僕がチーム内でコミュニケーションをあまりとれていない人もいたため、僕がメンバーを知る機会として設けました。メンバーが普段言いづらいことを聞くことができ、効果があったと思っています。これからは「We」の輪を広げていくため、ラグビーだけでなく地域のボランティア等私たちにできることがあれば、活動の幅を広げていきたいと考えています。」
「自由」
今年のチームの印象について、新藤はこう話す。「一言で表すと“自由”です。花園経験者・全国優勝経験者から全くの初心者まで、多様なキャリアを歩んできた部員が在籍しています。メンバーに上下関係や経験の壁はあまりなく、自由に意見を出し合い、チームをつくりあげています。前まではキャプテン・先輩の指示に対して動くだけでしたが、今年は練習中に意見が飛び交い、その都度柔軟に練習メニューを変えています。僕は良くも悪くも下級生からいじられているので、言いやすい環境になったからではないかと思っています。」
泥臭いプレーヤー
理想の選手像について、新藤は次のように話してくれた。「私の目標とする選手は、ラグビー日本代表・姫野和樹です。彼の強みは力強いボールキャリー・ピンチの時に炸裂するジャッカルです。私は不器用なプレーヤーなので“うまい!”といわれるようなプレーはできません。だからこそ、しんどい場面で率先して当て続け、ワンプレーで流れを変える、そんな泥臭いプレーヤーを目指していきたいです。」
最後に
7年ぶり地区対抗大会の舞台、私たちの目標は一勝です。予選ではDFが上手くいかず、大量得点をとっていても一瞬のスキからトライを許す場面が多くみられました。この2か月で修正したハイプレスDFにぜひ注目してほしいです、地区対抗に出場するチームはすべて格上であるという認識はありますが、臆せずチャレンジャー精神で立ち向かっていきジャイアントキリングを起こします。応援よろしくお願いします!
※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。