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ラクロス

『人生のラストチャンス』

“吹奏楽部からラクロス部へ”熱い青春を追い求めて
九州大学男子ラクロス部 AT矢島豪(やじまたけし)

入部の経緯
小さい頃から音楽も運動もどちらも好きだったので、中高は吹奏楽部とバドミントン部を兼部していました。
「勉強が疎かになるからダメ」という親の反対を押し切り決断した覚えがあります。
本当は小学校の時に習っていた野球をしたかったのですが、新歓演説で「やる気ないやつは来んな」とのことだったので入りませんでした。
どちらもとても楽しかったのですが、結局両立できなくなり高校からバドミントンの方はほぼほぼ幽霊部員となりました。
ですので、僕にとってのバドミントンの最後の大会は高一の地区大会です。名前も聞いたことない高校のペアに2回戦でストレートで負けました。
通っていた高校が進学校ということもあり、吹奏楽部の引退は他校よりも一年早い高2の9月。毎年行われる吹奏楽コンクールでは何年も参加賞に等しい銅賞しか取ったことのない弱小部でしたが、どうしてだか最後のコンクールで獲得したのは一つ上の銀賞。通っていた高校が進学校ということもあり、引退は他校よりも一年早い高2の9月の文化祭での演奏で引退となりました。部活引退後は学年全体が受験モードに切り替わります。しかし、それまで週5~7で部活をしていた自分にとってそれは非常に難しいことで、終礼が終わった瞬間、最短ルートを最速の競歩、最速の乗り換えで帰宅し、溜まりに溜まったドラマを見て寝る。そんな日々を送ってました。

気づけば高校3年生
そして気づくと高3の夏でした。テレビをつけると甲子園がやっていて、金足農業がサヨナラツーランスクイズで準決勝進出を決めていました。根尾昂、藤原恭大などが所属する大阪桐蔭は圧倒的強さで春夏連覇を達成し、メディアで大きく取り上げられていました。
そんななか、僕は実況パワフルプロ野球のマイライフで金得を全て所持し、能力値も全て限界値の「矢島豪」という最強野手を作成し、日本プロ野球界で大暴れさせていました。
浪人の夏
また、気づくと浪人の夏でした。公園でブランコを漕ぎながら、ふと自分の人生を振り返って思いました。
「俺やばくね」
人生で初めて他人の人生と自分の人生を比べた気がします。テレビやYoutube、Tiktokを見てると本当にさまざまな人間ドラマがあります。一日中塾の自習室に篭って勉強し、帰ってからもずっと勉強し、ご飯を食べながら勉強し、トイレでもお風呂でも勉強する。そんなとてつもない努力で難関大学に合格して親と一緒に泣いて喜んでいる人。野球の強豪校で朝早くから夜遅くまで必死に練習して、厳しい上下関係、厳しい監督にも耐え、幼少期からの夢である甲子園出場を果たしたが、甲子園で負け、親に「勝てなくてごめん」と謝るも慰められ親と一緒に泣く人。そして野球部が勝ち進んだら一緒に喜び、敗退したら一緒に泣く吹奏楽部。そんな経験を僕はしたことがありません。毎年行われる吹奏楽コンクールの結果に何も思わないですし、バドミントンは主婦のダイエットみたいなものだったし、大学受験も当たり前のように落ちました。人生を振り返ってみると、何か目標に向かってとことん努力したと言う経験が一度もなかったんです。

「今を楽しむ」
本当にそんな人生でした。勉強は何も面白くないが、ふざけたり、友達と笑い合ったりするのが楽しくて、毎日学校に通いました。体を動かすのが好きで、速いスマッシュや、いやらしいフェイクで点を取るのが楽しくてバドミントン部に顔を出し、無音から学生だけで音を作り出すのが楽しくて吹奏楽部で日々練習をしていました。危機感を覚えるほど起伏のない人生です。もっとみんなのように何かに熱中して、喜んだり、泣いたりしたい!
そんな思いで、ラクロス部入部を浪人の夏に決断しました。

今シーズンの目標
今シーズンの始めに立てた個人の目標は「Aチームとして試合に出ること」でした。昨シーズンは3分の1をAチーム、3分の1をBチーム、3分の1を怪我でレスト、と色々あった一年でしたがシーズン終盤はずっとBチームでした。自分が出場しない九州地区決勝で福岡大学に勝利し九州王者となり、自分が出場しない全学一回戦で名古屋大学に負けました。
嬉しいとか、悲しいとかいう気持ちは全くなく、ただただ悔しかったのを覚えています。
そのため今シーズンは「出場」を最低目標にしていました。
しかし、関東遠征、関西遠征で日本中の強豪校と試合をしていく中で、全学優勝のためには個人力で関東を圧倒する必要があることをチームが、そして僕自身が実感し、「全学で関東相手に俺がかます」に目標が変わりました。

理想のプレーヤー像
「常に考え、挑戦する選手」です。グラウンドでの練習はもちろんですが、自主練や筋トレ、食トレ、部としての取り組みや、運営などなど。どうしたらもっと上手くなれるだろうか、どうしたらもっとより良くなるだろうかを常に考え、それを行動に移す人間になりたいです。

試合に向けての意気込み
「感動を波のように響かせる」、チーム理念である「波響」。僕はラクロス部に入部する前、さまざまな人に感動をもらいました。今度は僕たちが感動を響かせる番です。全学優勝を成し遂げ、最後みんなで笑って終われるように頑張ります!

 

※本記事に掲載されている写真は、ご本人から直接ご提供いただいたものです。

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RYO

RYO

アメフトオタク

1999年4月6日、大阪府大阪市生まれ23歳。小学5年生からアメフトを始め2015年大阪産業大学附属高等学校に入学。3年時に主将を務め大阪無敗で全国大会に出場。2年・3年時にはU18日本代表に選出。2018年に近畿大学に入学。2022年に卒業し、現在はX3のリードエフォートエールズで主将を務めています。

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